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そう言って、紅い勾玉がリオンの手に渡った瞬間、先程までチカチカと連続的に光っていた勾玉が一瞬だけ力強く光を放ったのだ。
「……勾玉の本当の所有者が勾玉を持って近くにいた時は、こんな風に光るみたいね」
「みたいですね……」
突然の事に皆言葉が出なかったようだ。しかし、これだけハッキリ勾玉が自己主張してくれるのならば持ち主が近くにいた際はすぐにわかるだろう。
「……天音さん、早めに出発したいでしょうから予定を早めて、明日までには修行を終わらせましょうね」
と、一番先に我に返ったナギサがニコリと笑って天音に言った。天音は一瞬ポカンとしたが、慌てて頷く。
「あ……、うん!」
「……なら俺は旅の準備でもしとくかな」
次いでリオンが言う。と、ソプラが思い出したように天音に声を掛けた。
「天音。今日の修行が終わったら私の部屋に来てくれる?」
「え? あ、はい……?」
内容を言わずに誘われたので釈然としなかったが、天音は素直に頷いた。
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