645人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、身を守る為に戦う時もあるかもしれない。その時に、貴方に武器が必要かどうかが知りたいの」
そう言って、ソプラは側にあった鈍く光を放つ長剣を手にとった。
「勿論、魔法で敵を倒す事だって出来る。だから武器が必要ないと言うならそれで良いわ」
天音はその言葉に考えた。確かにそうだろう。魔法が上手く使えるようになれば足手まといにはならないだろう。
だが……、
「……私に武器を頂けませんか? あと使い方も教えてください」
天音は選択した。共に武器を持って戦うことを……。
「……理由は?」
「私はまだ未熟です。だから魔法をまだ上手く扱えない。それに……」
天音は一端言葉を区切った。そして、一呼吸置いてまた話し始める。
「私だけが楽な思いをして、リオン君に負担を……辛い思いをさせたくありません」
最初のコメントを投稿しよう!