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「さて……と、そろそろ勾玉持ってるヤツを探しに出るか……」
天音が団子を咀嚼し終わったのを見計らって、リオンはそう言って立ち上がった。天音も異論はなく、同じように立ち上がり一緒に会計に向かう。
しかし、そこで天音は重大な事に気づいたのだ。
「……あ! そう言えば、私お金持ってない……」
そう。天音はこの国での通貨を持っていないのだ。勿論天音のいた世界での通貨が使用出来ると思っているわけでもない。そんな慌てている天音を見たリオンは小さく笑みを漏らす。
「気にすんな、旅の資金は姉さんが出してくれてるから。何て言ったって王女になる人だからさ、あの人は」
玉の輿だよな、とリオンはのほほんと笑って言った。が、それに対し天音は心底驚いた。
「ソプラさんって……王様と結婚するの!?」
「一応婚約はしてるぞ?」
まさに爆弾発言。
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