緑の国と黄色い物体

5/14
前へ
/235ページ
次へ
「そ、そうなんだ……?」 「あぁ。王も姉さんより1つ上なだけだし、まぁ……経済力も権力もあるから安泰だよな」 そうリオンは軽く笑いながら言ったが、対する天音は興味津々だった。 目を輝かせてリオンに問う。 「王様ってどんな人なの?」 「んー……、仮面?」 「……え?」 天音は予想外の答えに目を丸くしてキョトンとしたあと、慌てて聞き返えした。そんな様子を見たリオンは苦笑を漏らす。 「あの人いつも仮面被ってて素顔を見たことねぇんだよ。姉さんしか顔を知らないっていうヤツ?」 まぁ姉さん曰く滅茶苦茶カッコイイらしいけど、と付け加えてリオンは答えた。 「変わった王様なんだね……」 「まぁ、命狙われる立場だしなー」 と、2人がそんな雑談をしている間に急に店の外が騒がしくなってきた。いや、騒がしいと言うには少し語弊があるかもしれないが。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加