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「え? 何……?」
「……多分喧嘩か『青い薔薇』だろうな」
リオンは溜め息をつき、手早くお金を払って茶屋から出る。天音も店の人に挨拶をしてから慌ててリオンの後に続いて茶屋から出た。
どうやら結構近くで騒ぎが起こっているらしく、ざわめきが大きい。罵声や叫び声がより鮮明に耳につく。
「……ねぇ、『青い薔薇』って……?」
天音はそんな騒ぎに少し怯えつつ、首を傾げてリオンに尋ねた。リオンは一瞬ポカンとしたあと、足を止めぬまま苦笑いを浮かべた。
「……あ、そうか……。天音にまだ説明してなかったなぁ……。えっと、『青い薔薇(ブルー・ローズ)』……俺達帝国兵は『あり得ないもの』って言う意味でアイツ等の事を言うんだ」
「アイツ等……?」
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