緑の国と黄色い物体

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「なっ……、何だ!? テメェ……もしかして帝国兵か!?」 リオンの姿にいち早く気付いた男が叫ぶ。その間に既にリオンは7人の男の内1人を剣の柄を使い、1人を蹴飛ばして気絶させており、残った男達を振り返った。 「……だとしたら、何だ?」 愚問ともとれる質問にリオンは不敵に笑った。 少し遅れて着いた天音はリオンその笑みを見て、ゾクリと体を震わせる。 「ちょうど良かった……、それなら勾玉のついでに貴様も捕まえてやるぜ!!」 「! ……勾玉だと……? 何故お前達が勾玉を狙うんだ!?」 「フン、答える必要などない!!」 男達はそう言うが早いか、リオンに向かって攻撃を始めた。 各々が得意としているのだろう剣を使い、銃を使い、魔法を使い攻撃を仕掛ける。リオンはそれを避けつつ、剣を振るう。 その光景を見ていた天音はあることに気付いた。相手が遠距離なら魔法を使えば簡単なのに、リオンは魔法を使わずひたすらに剣を使っている。 ……だから天音は気付いた。 “リオンは魔法が苦手”なのだと。
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