645人が本棚に入れています
本棚に追加
男の魔法が放たれる寸前にリオンはその気配に気付き、勢い良く振り返る。
「あははっ!! 残念だったなぁ、隠密さんよぉ!!」
「……っ!!」
その言葉と同時に魔法が放たれた。一直線にリオン目掛けて魔法が向かって来る。
リオンは来たるべき衝撃に備え、腕をクロスさせて目を瞑った。
「……『水の盾(ウォーター・シールド)』!」
しかし、リオンにその衝撃が来る事はなく魔法が相殺される音が耳についた。ゆっくり目を開くと、そこにいたのはリオンを守るように手のひらに水の盾を付け立ち憚っている天音だった。
リオンと男は驚き、目を見開いた。が、先に正気に戻ったリオンは素早く男に峰打ちを食らわせ今度こそ気絶させた。
「天音……」
「……えへへ。私でも、役に立てたかな……?」
そう言って少し恥ずかしそうにして立つ天音を見てリオンは優しく微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!