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一瞬リオンは目を疑ったが、その黄色い物体の存在を理解するともう一度ゆっくり見た。
『それ』は体全体が黄色で頭に黒いトンガリ帽子を乗せ、首には赤いリボンをつけて天使のような小さな羽を生やした小さな小さな……クマのぬいぐるみだった。
「……黄色いぬいぐるみが……喋った……?」
「違うよ!! ボクはぬいぐるみじゃないからね!? ボクはキキ! 『キキ・ロリポップ』!! 魔族と人間のハーフだよ!」
そう黄色のクマは怒って2人に言った。ポカンとしていた天音は、無造作にそのキキと名乗ったぬいぐるみを手にとり調べ始める。
……電池が何処に入っているかを。
「だから、ボクは玩具じゃないってば!!」
されるがままになっていたキキだが、慌てて短い手足をジタバタと動かして暴れ初める。
「……魔族とのハーフ?」
「そうだよ、ボクはちゃんとした魔族なんだからね!!」
「……ねぇ、魔族って何? キキみたいに黄色い生物の事?」
……何気に酷い天音だった。![image=84021180.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/84021180.jpg?width=800&format=jpg)
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