運命の扉

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「……まだ当分止みそうにないなぁ……」 天音は部活の片付けをしながら小さく呟いた。部活後なら土砂降りの雨も少しは収まるかと思っていたのだが、予想は見事に外れた。 相変わらずの激しい雨と轟く雷鳴。 部活に集中していたため忘れていたのだが、一気に現実に引き戻されたようだった。 残念そうに肩を竦めたあと、天音は弓を片付ける作業に戻った。 天音は弓道部。飛び抜けて上手いと言うわけではないのだが、天音は精神統一に関しては誰よりも長けていた。 片付け終わり、挨拶も終わったので天音は着替えることにした。同じ弓道部の友人と楽しそうに会話しながら、天音は至福の一時を過ごす。 雨は相変わらずの土砂降り。 風も強く、雷も激しく鳴り響き、まるで台風が訪れているかのようだった。
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