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「さてさて、今日の入学式を迎えての抱負…まぁ簡単に言えば高校にはいっての目標を聞かせてくれないかしら?」
「なんですかそれ。」
「アンケートよ。アンケート」
「あなたも言いましたけど、僕ぼろぼろですよ?」
「そうね。まぁいいじゃない。それで?」
まぁこんなやつを助けたくはないか。
「そうですね。特にないです」
「あら?」
その人は驚きで目を見開く。
「ならあなたはこれからも……迫害されて生きていくのかしら?」
「…かもしれないですね」
「そう。実の親にもそんな扱いをうけて、小中といじめられ、信用できる人間を作れなかった。…そんな人生をこれからも?」
今度は僕が目を見開いた。
「…親のことは誰も知らないはずなんですが?」
「あら失礼」
そういってその人は綺麗に笑う。
「生徒会長ですから」
「なんでもありですね」
「ええ。そのなんでもありで…変えてあげましょうか?」
「…なにを?」
「あなたを」
「……なぜに?」
「気まぐれ…かしらね」
本当に笑顔が特徴的な人だった。
「こんな…化け物みたいな僕を?助けるんですか?」
思わず自嘲的な笑みがでた。
なんだ。
まだ笑えたんだ。
「助けるかどうかは別ね。あなたが助かるかは別だし。私は【変える】としか言ってない。あなたが変わりたいのなら変えると言ってるだけ」
「なんですかそれ」
今度は普通に笑ってしまった。
「それを助けるって言うんだと思いますよ」
「あらそうなの?まぁいいわ。あと、化け物って恐ろしいものよ。あなたはただかわいいだけじゃない」
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