最初の最初

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なぜか、 唐突に 本当に唐突に 頭に血が昇った。 「この髪を?この紅い目を?かわいい?ふざけないでください!これのせいで!」 「かわいいじゃない」 くすっとその人は笑う。 「というか女の子にしか見えないわよ。それにその銀の髪も綺麗じゃない」 毒気が抜かれた。 この人が真剣に言っていると、なんとなくそう信じれた。 「まぁそんなのはおいといて。変わりたい?」 「……こんな僕でも…変えてくれますか?」 「変わるのはあなただからわからないわよ」 くすっと笑ってからその人は僕に手を伸ばす。 その人から最初に感じた冷たさは、もう、感じなかった。 「ただ変わりたかったらこの手を取りなさい。手伝ってあげるわ」 そっか。 僕はまた笑っていた。 僕は変わりたかったんだ。 変えたかったんだ。この人生を。 手を伸ばした。 「お願いします」 「お願いされました」 二人で手をとって笑い合うのが、なんだかおかしくて一層笑いが込み上げた。 この時、 僕は変われた気がした。
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