一章

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「普段とあまり変わらなくても結構です。お聞かせください」 「分かりました」  二宮は一度頷くと、 「あの日、最初に研究室に入ったのは私でした。確か九時半頃に研究室に着いたと思います。時計を見たわけではないのではっきりしたことは言えませんけど」  普段あまり時計を持ち歩かないので、と二宮は笑って左手首に何も付けていないのを示した。 「北神さんが研究室に来たのは私よりも十分くらい遅かったと思います。先生が来たのはそれからさらに二十分ほど後でした。先生が来るまでの間、私と北神さんは今やってる研究の測定の準備をしていました」
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