一章

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「そうですね。一ヶ月後に学会があるモノですから、その時に発表する資料の為のデータを取りに来ているんです。で、気が付くと一時を回っていて、いったん食事にしようということになったので、私と北神さんは食堂に行きました。先生は研究室に残って家から持ってきたお弁当を食べるようでしたが」  話が本題に近づいてきたからか、刑事の目の色がさっきまでとは全然違ってきていた。 「渡瀬教授は普段から弁当を持参していたのですか?」 「はい、たいていはお弁当でした。ただ、お弁当の中身はいつもそれほど代わり映えしなかったようですが」
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