一章

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「さあ? それはどうでしょう。私は食事の後、図書室によって少し本を見ていましたから、多分、私の方が食事は早く終わったと思いますよ」 「図書室には何をしに?」 「読みたい本があったんですよ。図書室に眠りに行ったわけではありません。中にはそんな人もいるようですけど。本のタイトルまで言わないといけませんか?」  二宮は、そして、少し苦笑いを浮かべて答えた。 「いいえ、そこまでは結構です。それで、あなたが研究室に戻られたのは何時頃ですか?」 「あれは、確か午後二時を少し過ぎていたと思います。さっきも言ったように、普段から時計をしていないので、正確な時間は分かりませんが」 「まあ、とにかく、二時頃だったわけですね? それはどうして分かったのですか?」
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