一章

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「どうしてといわれても、図書室には時計もありますし、図書室から研究室まで移動するのにどれくらいの時間がかかるかくらい分かっていますから」 「なるほど、ところで、図書室を出たのは何時頃だったのか分かりますか?」 「一時五十五分頃だったと思います」  これが俗に言うアリバイ調べという奴か。二宮はそんな事を思いながら刑事の質問に答えた。 「そして、図書室から研究室まで移動するのに、時間はどれくらいかかるのですか?」 「そうですね、十分もかからないくらいです」
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