一章

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「まあ、いいでしょう。で、研究室に戻った後どうなったのですか?」  北神は刑事達が話を先に進めてくれた事に安堵した表情を見せてから、 「私が研究室に戻ると、先生はまだ食事中でした。先生はよく研究室で食事をとるんですけど、よくお食事をしながら研究の資料を見たりするんです。ですから、そういうときには資料に熱中するあまりお食事の方がおざなりになる事が多いんです。昨日もそんな感じでした。私が部屋に入っても先生は顔も上げないで、資料を読みふけっていました。そして、たまに気づいたようにお弁当にお箸を伸ばしたりして。でも、昨日、私が部屋に戻った時はもうお食事もほとんど終わりだったらしくて、部屋に戻って五分も経たずに食べ終わったようです」
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