一章

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「その時の渡瀬教授の様子には変なところはなかったですか?」 「そう言われても、特に顔色が悪かったわけでもなかったですし、変わったところなんて無かったと思います。ただ、先生はいつも食事の後、心臓の薬を飲むんですが、その薬を飲んだとたん苦しみだしたんです。もしかして、その薬に何か問題があったのかもしれません」 「薬ですか、その薬を教授はいつもどこに保管していましたか?」  刑事達は、一度顔を見合わせると、いかめしい顔をさらに厳しくして尋ねた。 「たしか、鞄の中に数日分まとめて入れていたと思います」
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