石嶋祐樹

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スーツの胸ポケットをまさぐり、KOOLを取り出した。煙草をくわえ、初めて喉が渇いていることに気付いた。自動販売機で冷たいブラックコーヒーを買う。 自動販売機の前には申し訳程度の小さな植え込みがあり、小柄な人間であれば何とか二人座れるであろう程の大きさのベンチが用意されている。 彼はそこに腰を下ろすと、缶コーヒーのプルタブを上げ、その中身を半分程、一気に飲んだ。 自分で思っていたより、自分の体は水分を欲していたようで、少し驚く。 まるで、自分の体ではないようだ。
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