36人が本棚に入れています
本棚に追加
大凡、二メートルもあろうかという、長い日本刀を、鎧武者が縦に振った。
相対していた、ピッチリスーツの男の、胸をかすり、地面に切り込む。
簡単に、アスファルトで舗装されたその道は、刀に割られた。
「チィ!」
苦々しげに、スーツの男が呟いた。
「この耐刃スーツさえも切るとは、その刀、素材を知りたいね。」
男のスーツの胸部に、うっすらと刀傷が出来ている。
無論、スーツも、少しばかり裂けていた。
「言っても、わかるまい。
これは、我々鬼ヶ島が、独自に開発した合金よ。
強度に申し分なく、軽く、熱に強い。
どうやってこの刀を精製したのか、私も気になる所だ。」
最初のコメントを投稿しよう!