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「それは、悪の組織、鬼ヶ島の研究員に聞かなきゃわからないってことか?
鬼丸よ。」
鎧武者、否。
鬼丸が頷く。
長いこと、地面に切り込んでいた刀を持ち上げると、構えた。
「長い戦いだった。
政府の犬、レッド・サンよ。
この、荒廃した住宅街で、散れ!」
黒と赤の、鎧武者、鬼丸が動いた。
突きの姿勢で、その勢いや闘牛を越えよう。
レッド・サン、レッドが身体を広げると、身体に炎が纏わり出した。
そのまま、半径大凡、三十メートルもあろう、巨大な炎が、半円状に、レッドを中心として広がった。
いとも容易く、鬼丸が炎に巻き飲まれた。
「これでくたばらんのなら、お前はバケモノだ鬼丸!」
レッド・サンがそう叫んだ後、炎は一瞬、巨大化したあと止まった。
刹那に、レッド・サンの首が飛んだ。
キラリと鈍い光が、弧を描いた後であった。
けたたましい音をたてながら、上空を旋回するヘリから、僅かに悲鳴が聞こえた。
マイクが空から落ちてきた。
中継をしていたテレビの、レポーターの物だとはすぐにわかった。
カメラマンが撮すのは、僅かに鎧が溶けた鬼丸と、首と胴体が泣き別れているレッド・サンと、所々燃え、壊れた住宅街であった。
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