Armament Juvenile》武装中学生《

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 云わずともわかる。  言葉なんてものは野暮なだけ。  ありがとう  私は最後の最後に、自分の間違いに気付くことができた───  そう、それは有るか無いかではなく、気付くか気付かないかの違い。  ありがとう  世の中の、順位での一番なんて関係ない  私の欲しいものは、最初からこの手に持っていたのだから───  だから  心だけは、正直に 「皆───大好きよ」  ああわかってる。 「俺も……いっこだけ。  俺もさ。わかったんだ。俺がやりたかったのは、こういうことなんだって」  と長太郎。  柄にもなく照れている。 「……私も……ネットより……こっちがいい……」  ……この遠藤二人、本当は兄妹なのではないか。実は生き別れの、とか。  一緒に照れているところを見ると、そう思わずにはいられない。 「僕も……映画より、こっちの方が楽しいし、面白いよ」  想一がこれまでのことを書き記した日記を手放す。もし誰かがこれを拾い、見てくれたなら、きっと知ることだろう。  【武装中学生】と呼ばれた少年少女がいたことを。  ……皆、自分を見直すことができたようだ。 「さあ───行きましょう───」
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