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そもそも、東都防衛学院創立の目的は実は、戦争で活躍する屈強な傭兵を作り上げること。
そしていざ危機だと判断すると排除しようとする。
これが大人の、国のやり方なのだ。
「……二人とも、まだ起きてたんだ……」
「わりぃ。盗み聞きするつもりはなかったんだが……」
いつの間にか、和美と想一の間には、寝ていた筈の遠藤 真帆と遠藤 長太郎の二名が来ていた。
この二人も和美率いる【武装中学生】のメンバーである。兄妹ではない二人の遠藤は学院では紛らわしいので、名前で呼ぶ者以外は遠藤(♂)遠藤(♀)ということで判別されており、当人達も了承はしている様子。
これまで長太郎の正義感には和美も皆も何度も救われたし、国の決定した情報を端末一つで探り当てたのは真帆である。
二人とも、和美がリーダーとしてメンバーを引っ張っていくためには無くてはならない存在だ。
「……和美は、よくやってくれてる……」
いい子いい子、と真帆は和美の頭を撫でる。
「でもよ、沢山人が死んだよな。鳥原も───」
「長太郎!」
想一の一声で、長太郎は慌てて両手で口を塞ぐ。しかし彼の言葉には揺るぎない事実があった。
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