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一時は【武装中学生】と称えられた和美達は逃げる途中、大勢の追っ手を返り討ちにした。
銃で。
刃物で。
格闘で。
時には罠で。
結果、沢山───死んだのだ。
訓練を受けて、強いというだけの中学生が大勢の兵隊を殺した。想一も真帆も、長太郎も。互いを守るために大勢を仕留めた。和美に至っては、全員を守るために必要以上に皆の前に立ち、武器や得意の中国武術を振るった。
殺害数では、メンバー全員を足しても足りないくらいだ。
しかし───いくら強いといっても彼らは"中学生"なのだ。
人を殺したという事実は、トラウマになり頭を離れない。今でさえ、四人は手の震えを止められない。
慣れていく。
何も知らず戦うための兵器として、人殺しに慣れていく自分達が、四人は何より嫌だった。
「私のせいよ……私のせいで、亜紀も善司も……っっ!」
和美が一週間前に助け出し、チームを組んだ時、メンバーは六人だった。
だが、引っ込み思案の一三四 善司が死んだのが四日前。副リーダーで和美の親友の島原 亜紀が死んだのが一昨日。
「それは違うんじゃねえかな……和美」
長太郎が言った。
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