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そこには、朝日の光で消えかけていく、数多の星の煌めき。
そういえば……そういえば、死んだ善司は星を観ることが好きだった。
「───」
この時、和美は理解した。
こう、ずっと解けなかった問題を、自力で解いた時のように、ピーンときたのだ。
───ああ、そうか───そうだったのね───
素手の構えを解いた和美を、メンバーが不思議そうに見つめる。やがて太陽が、和美達の真正面から昇り始めた。
「……ねえ。皆」
一歩、踏み出した和美は、メンバーの方へと振り返る。その表情は、さっきまで喚いていた人間と同一人物とはとても思えないくらい穏やかだ。
「私達……、"また生きて、こうして会いましょう"?」
「……」
「……」
「……」
その瞬間幸か不幸か、全員が和美の言っていることを理解した。
外には何百という敵の兵士。その一人一人が、メンバー全員よりも遥かに戦闘慣れしている。
……メンバーが無言で頷く。
───勝負は見えている。
……銃弾なんて、唯一残った二丁を合わせても、五発しか残っていない。
───敵は完全装備。ジリジリと確実に、和美達のいる廃墟の包囲網を狭めてきている。
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