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「さて、俺らはどうすんだ班長殿?」
「私たちは学院内を動き回って、野良犬を発見したら速やかに連絡。ひとりで捕獲しようとしないで、このグラウンドまで追い込んでちょうだい」
「こんな広いところに追い込むのか? 大丈夫かよ?」
「しょうがないでしょ。他に使える場所がないんだから」
「まあ、そうだな」
「そうと決まったら、行動開始よ。もしこの作戦に失敗したら、来月は私たちが1ヶ月校内掃除だからね!」
「はいはい……って、なんだよソレ! 聞いてねぇぞ!?」
「だって言ってなかったもの。ま、救援を受けるための代償ってところかしらね」
「やれやれっ、これは本気でやらないと、ですね」
想一がそう言って苦笑いを浮かべる。
と、そんな想一は、突然何かを思い出したように手を叩いた。
「そうだ。あの犬にコードネームを付けませんか? 野良犬というのも、なんですし」
「うーん、コードネームか……たとえばどんな?」
和美が想一にそう聞く。
それを受けて、想一は視線を宙にさまよわせた。
「そうですね……――”スクラップス”なんていうのはどうでしょう?」
「それ、なんかの映画に出てくる犬の名前か?」
長太郎がそう言った。
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