第5章

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再び杏によって沈められた滝本を横目に椿は寮長室の前に佇む。 かすかに開いたドアの隙間からは何やら怪しげな声が聞こえてくる。 女より少し低めのその声はどこから出してるんだ?というぐらい甘い響きを含んでいる。 全くそういった経験がないわけではない椿は、この中でナニが行われているか容易く想像できた。 そして理解したうえで、助けを求めるように視線を栗山に向ければ彼はやっぱりといった表情で扉を見つめていた。 しかし何を思ったのか、いつの間にか復活し「寮長イベktkr」と騒いでいる滝本に向かって 「千里、逝ってきて」 と言い放ったのだ。
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