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なんとか息子の奸計を逃れて、太陽をめいっぱい浴びて楽しんできて良かったと思う。僕は、こうしてここでウェルテルかしからずんば無かという境涯に立っていて、遺産を残しているんだけれども。ねぇ、君、君は信じるかい?僕が今なお生きているロッテと恋したことや、妻と2000晩悦びにふけったこと、その妹レオノーレが日々女になってゆく姿に見とれていたこと。その僕の心をどう理解できるのかな🍸❤?
積み上げてきた財産は、息子が『成人』したら、共同生活のためにその可能性のために全部くれてやるし、ちょうどいいことに汗もかいている。そして、昨日の夜中はしあわせだった。Hの姉さまがついに僕を奪いに僕の心を訪れてくれたんだ。夢の中でね、
この世は奸計や悪意のほうが珍しいし、そういう人たちのほうが誤解や怠惰を感じている。まあ、僕は実家の頃から薔薇の生け垣と百合の斜面で悪意は許されていたんだが、俺は氏より育ちなんでね。
(すみのえの岸野の榛ににおうれど)
しかしねぇ、この地球には平和なんかよりは戦争のほうがはるかに多いんだ。人は平和より戦争をおもしろがるからね。ところで、君、君はなんだい?絵より音楽を君は選んだけど、この地球の不治の病はどう表現するんだい?その代わりに俺は面白い原因と結果を手に入れた。そして因果なことにバーバリズムの提唱は確かなものになったし、しあわせ者は果報者なんだってねえ、知ってるかい?
僕は今でも幸福さ、自分の中をより良く見つめたらね。結局こうして美しい人の手が男をしごくサマは僕の自虐的精神には快楽だし。僕を殿様扱いしてくれる土地もある。ところでなんだねぇ、この不埒なほど美しい21世紀で、ひたすら人間の復興は考えてはいるけれど、あの子の描いた1枚の絵に負けて狂ったこの心は、ひどくルッソーと彼を呼び続ける毎日だし、少しも気の休まることは無い。弱虫だなぁ僕は。まあでもね、我が家は百姓だから、平和も戦争も関係無い。人々に野菜を奉仕して、人々からもありがとうの気持ちをもらえるんだから、大したものだよ。『人生』っていうのはね。それから自分でつくった野菜の美味さ。
まあ財産のことは僕が叔母に相談するよ。そして、長生きしてみるものだねぇ。『白い米』がこんなにもありがたいものだなんて、この36年、感じもしなかったよ。
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