第一章

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「お!初島、ちょっと手伝ってくれないか!」 購買の帰り、階段を上っているときに話しかけてきたのは、確か野球部の顧問の新藤(しんどう)先生。 熊のようにずんぐりした体系で、いかにも運動系の人だ。 「先生どうしたんですか?」 口の中にパンが入っていてモゴモゴと喋りにくそうにしていた真の変わりに聞いてみる。 「ああ、野球部で使うバットやら何やらを新しく購入したんだが、それが届いたらしくてな、量があるから手伝ってもらおうかと思って。」 「わかりました。んじゃ和俊、悪いけど先に教室戻っててくれ。」 ようやくパンを飲み込んだらしい真が返事をし、 (…どんだけ詰め込んでたんだよ?) 僕へと振り向きながらそういう。 「うん。じゃ先に行ってるよ。」 そのまま真と別れ僕は教室に向かっていく。
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