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…いや、そんなことを思っている場合ではない。
…どうしようか。
意外に冷静に考えることができる自分に驚きつつ、目の前の少女を見上げた。
すると、少女は何の躊躇いも無く口を開いた。
『パスワードの入力』
……は?
再び頭が混乱すると同時に、俺は一つ思ったことがあった。
――…この子、人間…なんだろうか。
何故なら、さっきのこの子の発した声が 言葉が
感情が無かった。
―――…あれじゃまるで…
『新規登録 致しますか ?』
そこで自分の思考が止まった。
…何を考えているんだ。
――どうせ夢なのだ
深刻に考えても、しょうがない。
『新規登録 致しますか ?』
淡々と同じ質問を繰り返す相手に、俺は少し投げやりになって答えた。
「する。」
…一体何の夢を見ているんだ。
心底そう思う。
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