第三話 暗闇にて

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…いや、そんなことを思っている場合ではない。 …どうしようか。 意外に冷静に考えることができる自分に驚きつつ、目の前の少女を見上げた。 すると、少女は何の躊躇いも無く口を開いた。 『パスワードの入力』 ……は? 再び頭が混乱すると同時に、俺は一つ思ったことがあった。 ――…この子、人間…なんだろうか。 何故なら、さっきのこの子の発した声が 言葉が 感情が無かった。 ―――…あれじゃまるで… 『新規登録 致しますか ?』 そこで自分の思考が止まった。 …何を考えているんだ。 ――どうせ夢なのだ 深刻に考えても、しょうがない。 『新規登録 致しますか ?』 淡々と同じ質問を繰り返す相手に、俺は少し投げやりになって答えた。 「する。」 …一体何の夢を見ているんだ。 心底そう思う。
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