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『……よろしい ですか ?』
少女は相も変わらず無表情で問いかける。
…自分から言ってきたのに、何をこの子は躊躇っているんだろう。
しかし、「躊躇う」感情を持っているなら…
この子は人間、かもしれない。
少なくとも俺には そう感じた。
「ああ。」
迷いもなく軽い気持ちで返事をする俺に、その子も淡々と言葉を発する。
『了解しました。 それでは続いて ユーザー名 パスワードの入力を して下さい 。』
途切れた言い方が少し気になりつつも、俺は疑問を口にした。
「入力……って、口に出して言え…ってこと?」
『はい 。』
ユーザー名…
パスワード…
…なんだかオンラインゲームの中にでも入ったみたいだ。
―――まあ、これも適当に答えればいいか。
「ユーザー名は…ヒカリ。パスワードは……」
パスワードは…
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