1人が本棚に入れています
本棚に追加
「“明日、また明日、また明日と”。」
咄嗟に思いついた言葉が、それだった。
シェイクスピアの『マクベス』。
有名だし、結構好きだったりする。少しなら暗記しているが…
――なにもここで使わなくてもよかったじゃないか…。
つい先刻の失言に後悔しつつ、改めて貰おうとすると
『了解しました。』
―――遅かった…。
項垂れている俺に、遠慮無く話す少女。
『登録が完了しました。では 、エリア内を軽く 説明します 。』
―――エリア、内…?
俺が少女に問いかけようと頭を上げると、相手は間髪入れずに話してきた。
『この世界のエリアは 、多様に存在します 。その時々に応じて 様々なエリアが生まれます 。その反面 エリアに亀裂が入り 、エリアが消滅する恐れも あります。』
…亀裂?
よくわからないで聞いていた俺は、その単語だけ妙に違和感を感じた。
それでも黙って話を聞いた。
…と言っても、俺に話す余地など全くと言って無かったのだが。
最初のコメントを投稿しよう!