第四話 夢の夢

3/6
前へ
/38ページ
次へ
俺はゆっくり立ち上がり、ズボンに付いた土や草をはらった。 ――――あれ? なにか妙に違和感を感じ、恐る恐る自分の体を伺った。 ――――!? …服が、違う。 肘と膝まである半袖半ズボン。 どちらも真っ白で、なんだか質素な生地だ。 まるで奴隷になった気分になる。 ―――…夢…なんだよな? ハッとさっきの少女の言った言葉を思い出した。 『…夢だと 思いますか?』 ―――…なんなんだよ。 ―――夢、だろう…? 必死に自分に言い聞かせた。 それでも不安は消えず、只々募っていくばかりで… 俺はこの広い場所で ただ一人 震えることしか出来なかった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加