第五話 滑稽

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第五話 滑稽

――――俺はこの時 知らなかった。 俺と赤い目の間に もう一人 人間がいたことを。 4 俺は聞こえなかった。 その切れ味のいい刃物の響きを。 3 俺は感じなかった。 その白く光る毛が舞う空気を。 2 俺は知らなかった。 一瞬で止んだ、その残響を。 1 何故なら、それは――――…
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