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「おかえりなさい!光君」
俺はゆっくりと目線をそちらの方に目を向けた。
「……ただいま。」
愛想笑い1つもなく、俺は帰ったことを報告する。
そんな俺の気持ちを知ってか知らないでか、相手は話し続ける。
「今日は隆平さん、遅くなるらしいの。だから先に二人で夕食食べちゃいましょうね。今日は何が食べたい?」
「……。」
俺が黙ると、その人は少し間を置いて言った。
「…そうね、今日はカレーにでもしましょうか!ちょうど材料もあるわ。それじゃあ光君、出来上がったら呼ぶわね!」
「……はい」
それだけ言うと、俺は二階に上がりはじめた。
まだ何か言いたげな視線を背中に感じながら。
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