プロローグ

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春うらら。 4月上旬の駅のホーム。 小さな女の子とちょっと着飾った女性の親子連れ。 女の子は真っ赤な真新しい鞄を持っている。 「お母さん。ちょうちょ、ちょうちょ。」 女の子が蝶々を追いかけている。 それを見ている中年の男。 この物語の主人公である。 …今日は、幼稚園の入園式かな。 でも、俺は土曜日なのに仕事とは。 早く終わらそう。 今日は待ちに待った新酒の会だし。 楽しみだな… と、思っている矢先。女の子の姿が見えない。 ふと、悪い予感が。
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