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会場を後にしたベルデは、アッシュとガリアを試験監督達に任せ、応接室に向かっていた。
「はぁ……グランツ家もクリム家も堕ちたもんじゃな。魔導師検定試験すら不正介入せぇへんと受からへんとはのぅ……同じ大貴族としては恥ずかしい限りじゃな……」
{クラッチフィールド家の方々はあの者達とは違います!不正行為を働かずとも、今まで受験した全員が合格できているではありませんか!}
「まぁ、それもそうじゃな……」
自らの弱気な言葉に噛みつく〈フィレス〉をベルデはそう言ってなだめる。
しかし心の奥底、《念話》ですら伝わらないほど深層で、ベルデは思っていた。
(今のところは……な。)
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長い廊下を歩きベルデがたどり着いた応接室の前には、要人警護を得意とする第五部隊の精鋭2名が立っていた。
「身分証明証の提示を願います。」
ベルデが応接室に入ろうとすると、彼らの1人がベルデにそう言った。
「隙の無い警護に感謝するわ。ホレ、身分証明証。」
ベルデは懐から魔導師軍の人間である証拠として、魔導師軍のエンブレムが入った手帳を開いて見せた。
「確認しました。ではお入り下さい。」
男はそう言って扉の前から離れる。
「ご苦労さん。」
ベルデは2人にささやかな労いの言葉をかけると、扉を開けて応接室に入った。
応接室の中ではベルデを抜いた6人の部隊長がそれぞれくつろいでいた。
強盗や窃盗事件を担当する第二部隊隊長であり、ベルデの弟であるクラウス・クラッチフィールド。
[遺産]や危険な技術などの管理を担当する第三部隊隊長、ザント・グランツ。
傷付いた魔導師の治療や看護を担当する第四部隊隊長、マリア・ファーブルトン。
要人警護を担当する第五部隊隊長、ブロア・クリム。
麻薬等の違反薬物の取り締まりを担当する第六部隊隊長、マーク・グランツ。
アイルンバートを始め、多くの世界の情報伝達や、有事の際のオペレーションなどを担当する第七部隊隊長、アラン・クリム。
ほぼ全員が大貴族で構成されているこの6名である。
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