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厳正がマスコミに揉みくちゃにされている頃、その様子を病院の待合室のテレビで見て、心の中で厳正を褒め称える1人少女がいた。
(スゴイスゴイ!魔導師検定試験と魔導師軍入隊試験を、両方とも満点で合格しちゃうなんて!!)
少女は両手を胸の前で握り、両目をキラキラさせて、テレビの画面を食い入るように見る。
その少女は綺麗で長い金色の髪と可憐な容姿を持つ、紛れもない美少女だった。
そんな少女に1人の女性が近寄りながら話しかけた。
「どうしたのフェイトさん?ずいぶんと目がキラキラしているけれど。」
フェイトと呼ばれた少女は、相変わらず目を輝せながら返す。
「イリーナさん!あの!満点が大神君で!1位が合格で!」
興奮のあまり言葉の順列が滅茶苦茶になっていることに、フェイトにイリーナと呼ばれた女性は苦笑しながらそのことを指摘する。
「落ち着いてフェイトさん、言葉の順序が変なおかげで、何を言っているのか分からないわよ。」
「す、すいません!!私、つい興奮してしまって……」
フェイトは顔を朱に染めてそう言う。
そんなフェイトの様子に愛しさを感じ、微笑みながらイリーナは言葉を返す。
「まぁ、さっきアナタが口にした4つのキーワードで、アナタが私に伝えたいことは大体分かったけどね。」
イリーナはそう言って待合室にあるテレビを見た。
そこには未だに多くのマスコミに揉みくちゃにされている厳正の姿があった。
(ふむ……とりあえず上位成績者の中に入るのを目標にしていたのだけれど……まさか前人未到の大記録を叩き出すとはね……これが彼の才能というものなのかしら。)
「たった1ヶ月だけとはいえ、自分の教え子がこんな快挙を成し遂げると私も鼻が高いわ。」
イリーナは内心を隠してそう言った。
「ふふっ……そうですね!」
フェイトは楽しそうにそう笑った。
そんな時診察室から女性看護師が現れ、フェイトの名を読んだ。
「フェイトちゃーん。フェイト・スカイハートちゃーん。第3診察室へどうぞ~。」
「さっ、行きましょう。」
イリーナはそう言って座っているフェイトに手を差し延べた。
「はい!!」
フェイトは大きく返事をしながら、イリーナの手を取った。
そんな2人の様子を、周りの人間は少し嫌悪感が混じった表情で見ていた。
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