第二章 理想と現実

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「よお。何の用じゃジオルグ?」 ベルデは、魔力モニターにジオルグの顔が映し出されるなりそう言った。 【いや何、今回の入隊者達の当たり具合を聞いておこうと思ってな。どうだ、今回は?豊作か?凶作か?】 「1人を除いて、まだ恒例行事を行っとらんから何とも言えんのぅ…」 無論、除いた1人とは、厳正のことである。 【ということは、儂の生徒はお前から見ても合格か?】 ジオルグの質問に、ベルデは目を見開いて驚き、直後、大笑いし始めた。 【そんなにおかしな質問だったか?】 「当然じゃ!!体育館の舞台袖で、あの騒動の一部始終を見とったお前が、今更何を言うとるんじゃ!?」 【一応確認のつもりで聞いてみたんじゃが…聞くまでもなかったという事か。】 「あぁ、そうじゃ。お前が心配せんでも、あの子はフェイト君と同レベル程度にはなっとるよ。ま、近接戦闘だけならな。」 【まぁ仕方ないだろう。:あいつ:のように、元から魔法に関わっていた訳ではないのだから。】 「まぁ…な……じゃが儂は、あの子は:あいつ:と同じ…いや、それ以上の使い手になると信じとるんじゃ。」 ベルデがそう言うと、ジオルグは少し驚いた顔をした。 【ほう…それはお前のカンか?それとも何か根拠があるのか?】 「カンでもあり、根拠もあるな。」 【では聞こう。根拠とはなんだ?】 「お前の指導に根を上げずについて来た。それだけじゃ。」 ベルデの返答に、今度はジオルグが笑った。 【ハッハッハッ!!儂の指導など知れておるぞ!根拠と呼べるかどうかも怪しいところだ!!】 「そんなことぁあらへんじゃろう。1ヶ月で2大試験の実技を両方とも満点でパスしとんじゃからのぅ。」 ベルデがそう言うと、ジオルグはきっぱりと言い放つ。 【そんなものは彼の努力の結果だ。儂のスパルタ云々は関係ない。】 「……まぁ、お前自身がそう思っとるなら、もう何も言わへんわ。……他になんか聞きたいことあるか?」 【いや、何もない。邪魔したな。】 「かまへんかまへん。こっちは入隊者待っとるんが暇で暇でしゃーなかったんじゃ。いい暇潰しになったわ。」 【そうか。では失礼する。恒例行事とやらは程々にな。】 ジオルグがそう言うと、ベルデは通信を切り、魔力モニターを消滅させた。 と同時に、第3トレーニングルームに、入隊者達を引き連れた隊員が入って来た。 **************************************
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