第二章 理想と現実

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第3トレーニングルームで行われている恒例行事の、第2回戦が終わった頃。 例の女性は、第3トレーニングルームに向かっているフェイトを呼び止めようとしているところだった。 「フェイトさん…!」 「ひゃわわ?!!」 突然背後から呼ばれたフェイトは、素っ頓狂な声を出しながら、後ろに振り向き、自分を呼んだ主を視認しようとした。 が――― 「あ、あれれ?きゃ!!」 まだ本調子でない為、フェイトは足を絡めてしまい、短く悲鳴を上げながら転んだ。 「あらあら。大丈夫?」 女性は苦笑しながらそう言うと、しゃがみ込み、転んだフェイトに手を差し延べた。 「は、はい…どうもすいませ―――」 フェイトはそこまで言うと、女性の顔を見た。 そしてフェイトは固まった。 2秒程度の硬直した後、フェイトは急いで立ち上がり、口を開く。 「ふ、副隊長!!!」 「副隊長って…相変わらずお固いわね。」 フェイトに副隊長と呼ばれた女性は、苦笑いをしながらそう言った。 「す、すいません。」 「まぁ、呼び名なんて、何でも良いんだけど。……ところで、あなたは今からどこに行くのかしら?」 「第3トレーニングルームです。召集を受けているんです。」 「あら奇遇ね。私も今からそこに行くところなのよ。」 「そ、そうなんですか!?」 「えぇ。隊長に呼ばれてね。」 女性はそう言うと、第3トレーニングルームに向かって歩きだし、フェイトはその女性の後ろについていった。 ************************************** 5分後 2人は第3トレーニングルームにたどり着いていた。 「大丈夫フェイトさん?ずいぶんフラフラしてるけど……」 {ご心配は無用です。マスターは今朝退院してきたばかりで、まだ体調が万全じゃないだけですので。} 「そう、ならいいのだけれど。」 <ルーンフェアリー>の言葉に女性はそう言うと、自分の魔導師軍手帳を取り出し、認証パネルに押し当てた。 短い電子音と共に、第3トレーニングルームの扉が開いた。
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