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「それは…もっと速くて強い人と戦ったことがあったからですよ。」
「「????????」」
厳正の答えは、フェイトとローズの頭の中に、[?]マークを発生させ、疑問が晴れるどころか、余計に疑問を増やす結果となった。
3人のその様子を見て、ベルデが口を開いた。
「1ヶ月前に起きた、バハムート首都襲撃事件を知っとるやろう?」
「えぇ。バハムートの首都が、たった1人の魔導師によって、壊滅状態に陥ったっていう事件でしょう?」
「そうじゃ。」
ベルデは頷き、続ける。
「その事件の犯人が、鉾を武器にしとったんじゃ。」
「…え、えっと……」
「つまり、どういうこと…?」
フェイトとローズは、リレー方式でベルデにそう言った。
「だから、大神君がさっき言っとった、もっと速くて強い奴っちゅうんが、その犯人のことやっちゅうとるんじゃ。」
ベルデの言葉に、フェイトとローズの視線が、自然と厳正に向けられる。
当の厳正は、食堂自慢のデカ盛メニュー・[これでもか!!嫌気がさす程の白身魚尽くし定食](30分以内に食べ切れれば3万円)を、15分程で楽々とたいらげ、爪楊枝をくわえようとしているところだった。
「な、何で他世界で起きた事件に、君が関わっているの!?」
「お、大神君、どういうこと!?」
2人は大声でそう言って、厳正に詰め寄った。
その影響で、周りの人間の視線も、厳正に集中してしまっていた。
「え、えっと……」
(言っちゃっていいんでしょうか…?)
答えに困った厳正は、《念話》でベルデにそう問い掛けた。
(別にえぇやろ。)
(ずいぶん軽く言いますね……)
厳正は呆れ顔になった。
(別に全国放送のテレビで公表する訳やないんや。第一、これから同じ部隊で働く連中に、君が<ラグナロク>の[所有者]であることを隠していけるとでも思っとるんか?)
(無理ですね。)
厳正はサラっとそう言って立ち上がった。
たくさんの人と目が合った。
周りを見た厳正は、イスに座り直し、そして厳正は話し始めた。
自分が<ラグナロク>の[所有者]であることと、1ヶ月前に起きた事件で、自分が何をしたかを。
驚く者は大勢いたが、厳正が話している間は、誰も横槍は入れず、真剣に話を聴いていた。
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