またな、タマコ

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またな、タマコ

突然だった。 何もかも。 卵焼きがびっしり詰まったタッパーを差し出しながらの告白も、 電車とバスを乗り継いで、三時間半もかかる学校に行くんだっていう話も、 そこに通うために、マキオが親戚の家に下宿をするって話も、 本当に、突然だった。 ワタシは、その度に泣いていたような気がする。 出発の朝、駅のホームにワタシはいつまでも立っていた。 電車がホームに滑り込んできて、 マキオがスポーツバッグを持つ反対の手で、ワタシの髪をぐしゃぐしゃにしながら、 泣くなよ、って言って。 『またな、タマコ』 って。 ワタシは、温もりの余韻を噛み締めながら、また泣いた。 .
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