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目を開けると黄土色の空が見えた
起き上がって周りを見渡しても同じ
ずっとどこまでも荒廃した砂漠が広がっている
「ここも、だめだな」
少年は歩き出しながらいった
しかし、どうやら服は着ているようだ
それだけでもこの世界は今までよりだいぶマシな部類だ
方向などはわからないがとりあえずどこか人のいる所にいかなければと少年は歩く足を速める
、、ッ!!
瞬間、急に視点がさがる
理由は簡単だ、流砂に足を呑まれたのだ
どんどん足が砂の中に消えてゆく
周りに人の姿はない
声を出したところで誰もこないだろう
「あっけないな、僕もこれで終わりか」
上半身まで砂に飲み込まれ
少年は抵抗する様子もなく流れる砂に体を預けていた
しかし
ガシッ!!
飲み込まれていく少年の手を誰かがつかんだ
「何やってるのっ死にたいの?」
「そう思ってる」
「バカなこといってないで左手もこっちにつかまって」
少年がめんどくさそうに左手でひっぱっている手につかまった
「おおおおりゃぁぁぁぁー!!」
ものすごい力で流砂から引き出された少年は宙をまった
ドサッ
「大丈夫?怪我とかない」
そういいながらこちらにかけよってくる
「今、数ヵ所打撲したよ」
「しゃべれるならまぁ大丈夫だね」
少年を助けたのは少女だった
目から下は防砂マスクをつけているので顔は見えないが声や雰囲気からなんとなくわかった
「あんた名前は?」
「……メア」
「短い名前ね~私の名前はエレン、エレン=バーシャル」
「よろしくねメア」
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