当初の目的を忘れたら終わり

11/13
前へ
/104ページ
次へ
数秒後、私の読みは当たり、3人は口喧嘩を始めた。 吉田さん対入江さんと久坂さん。 普通に吉田さんが劣勢。 二対一は分が悪いよな。 って事で私はこの隙に逃げるぜ! 「あ、おいあいつは!?」 「あれ、伊達ちゃん?」 「あぁ、あそこだ……」 なんて会話が聞こえてくるけどスルー!死に物狂いでダッシュ! って、出口何処だよ!? 入江さんと入って来た門からは出られなかったから違う門を探してんだけど……なくね!? あれ!?普通門って言ったら裏門とかもあるよな!? ……裏って何処!? 長州藩邸広過ぎるわ! 「ぶわっ!!!」 前を見ないで走っていたせいで、何かに思いっ切りぶつかった。 デジャヴ!!! 今回は何にぶつかったんだ!? 「……お前」 「えっ、あ、ええぇぇえ!!?」 「何でここに居るんだ?」 「た、高杉!!!」 私の運の悪さ!誰か誉めて! 私を睨んでいる高杉から距離をおいて話し掛ける。 「おまっ、よくも肩に刀投げてくれたな!めちゃくちゃ痛かったわ!女に傷付けるとか男として最悪だ!」 「ああ?別に俺が一方的に悪ィ訳じゃねェだろ。あんな所に居たお前も悪い」 「かもしんないけど!最後に刀投げた意味が分からないよ!?」 「そりゃお前……あわよくば心臓に刺さる筈だったんだぜ?ただちと軌道が外れて肩を掠ったんだよ」 「殺る気満々だったのかよお前!最悪だ!人の境遇も聞かずに…!」 「境遇?」 ……あ、勢いあまって余計な事まで口走ったな私。 高杉が目でどういう事だと追求してくる。 ……ってか何故に高杉は刀に手ェかけてんだ……? ……あれ?何かヤバくね? 高杉の目が何かアレ……お前を今すぐ殺ってやるぜ的な感じに輝いてるよ!? 私貴方に何かしましたか!!! 何も迷惑かけてないじゃん!ちゃんと暗殺出来てたし、見ちゃいけない様なもんを私は何も見てないし! ……逃げるが勝ち! 「Σなっ、待てよ!」 「待てって言われて待つ馬鹿はいない!」 しかも刀持ってるし、いつの間にか抜刀してるし。 抜き身の刀を持って追って来る高杉を何とか撒こうと辺りをきょろきょろ。 この際門からなんて言ってられんな。 仕方ない、頑張って塀を飛び越えるか。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加