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少々時は進んで1ヵ月後、王都まで後一日ほどの場所まできた。
「大丈夫~?疲れた~?」
「大・・・丈夫で・・・す」
「うん、全然大丈夫じゃないね、はい!ここできゅ~け~」
「大丈夫でゲッホゲホ!!」
まったくこの1ヶ月間この調子だ、王女ってのがこうさせてるっぽいけどどうでもいいや。僕の任務は護衛、メンタルケアなんかじゃあない。そこまで大切なヤツじゃないし
「そういえばとてもお強いですけど誰かに師事されたのですか?」
「ん?いや唯振り回してるだけ」
「え?」
「だって人なんか簡単に殺せるじゃん。首を切れば死ぬ、心臓を抉れば死ぬ、頭を割れば死ぬ、胴体切り離せば死ぬ、それで十分だよ。強いヤツなら逃げる、弱いやつなら殺すそれだけさ。僕の力は殺すための力さ」
「守るための力というものは・・・」
「守る?ははっ!面白いこと言うね~守るって何をさ?その守るものを手にかけた僕がそんなの持ってるわけないでしょ~?」
アレは忘れたくても忘れられない記憶。この不老の体に死ぬまで刻み付けられる記憶
「え・・・?」
「落ち着いたなら行くよ」
王女サマの追撃を振り切るように僕は歩き出した
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