槻谷純夏

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今回私が 「なにもかも投げ出して何処かへ放浪する」 この様な馬鹿げだインスピレーションを得たのは、この「体調不良」と関係している。 ただの体調不良という事ではないと分かっている。 この平凡な私が、唯一、この世に生をうけてからしばらくして神様から授かった、綿菓子のような、甘い、甘い愛情である資質が、何らかの理由でもうすぐ私自身から消え去るのであろう。 神様はこの資質を、天性、とか、才能とかいっているはず。 私はただそこに落ちてたのを拾っただけだけども。 ただ、あえて感情が戻るという言い方は しない。 一応、自分の体だもの。自分の事は、意外と良く分かる。 私は、十二年前のある出来事があった時、全く同じ感覚を味わった事がある。 神様から授かった才能を失いかけたのだ。いや、自ら手放したくなったのだろう。 何らかの気の迷いで。 ただ、あれからしばらくは正常に生きてきた。
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