槻谷純夏

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私のママは東京の人で、父は福岡の人。何らかの巡り合わせで出会った二人の子供が、純夏。 色々あって、昔もよくこうして飛行機に乗り込んだ。 十二年前、私が十五か十六の時、私達一家は福岡から東京に引越した時もこうして飛行機に乗って、雲の中を浮遊しながら東京に向かった。 あの時特に人生なんてどうでも良いと思っていたのでこんな事くらいどうだってよかったのだが。 東京に住んでいる二人の両親には連絡を取っていない。 大学を勝手にやめて勝手に福岡に逃亡して以来の飛行機。 東京に着く頃はもう遅いのだろう。 着いたらとりあえず予約しといたホテルで… 一眠りしたら遊びに行きましょうか。けれども「純夏」だったらそんな事しないな。 それかもうなにもしないで帰ろうかとも頭によぎった。
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