セプテンバー

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私がおばさんと、こうして関わったのも十二年ぶりだけど、春琉君が亡くなってからも十二年が経った事に気付きました。 おばさん、覚えてますか。子供の頃私はとっても無邪気で明るくって、何より優しい子供でした。 生きる事に喜びを感じていました。 お花も、雲も、蝶々も私の友達。 おばさんも、ママも、父親も、大人達皆そんな私をあたたかい目で見守ってくれました。 実は、ある日を堺に、私の感情はぷっつりとなくなっていました。 氷が、徐々に溶けて行く感覚。 いつしかの事を、私は鮮明に覚えています。 それでもなんとか普通に生活していました。今までずっと。 詳しい事を書くのは難なんでとりあえずここで話を切ります。あ、でもこの事を話したのはおばさんだけです。後一人いたような気がしなくもないですが。 所で、私これから東京に向かいます。今なんとなく福岡に居ますが、東京の空気の方が私の肌には合ってるみたいです。 おばさんの所にもその内向かいます。 本当の目的はそれなんですがね。 おばさん、本当にごめんなさい。 春琉君の事を書いていいですかね。 本当にくだらない事で春琉君を殺してしまって、どうもすみませんでした。 なんか徐々に何かが戻っている様な気がするんです。 私は春琉君の「死」の真相を知っています。 おばさん、ごめんなさい。 ごめんね、おばさん。
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