捜査再開~徳橋公徳

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「確かにそうですよね。あまりに出来すぎてる気がします」 真二が最もな意見を言った。そう、会社は3、4ヶ月で倒産に追い込まれた。速すぎるのだ。計画犯罪ならば、実行力に驚く。 「この犯行予告ってどんなのだ?」 オレは真二に聞いた。しかし答えたのは、佐藤だった。 「ここに載ってますよ」 パソコンで印刷されたのであろう紙がコピーされていた。広告や新聞の切り抜きで作られているため、筆跡鑑定は不可能。指紋、微細物における証拠もこれといって無かった。 『先日の騒ぎに反省していない社長を殺す。オレは大企業を潰せる力を持っている。まあ、今では大企業ではなく、倒産寸前の会社だかな』 雑誌及びテレビの関係者も、最初は本気にしていなかった。こういうものにいちいち影響されていては、会社は機能しない。しかし、社長殺人を知ったマスコミは一気に動き出した。こういうことになると、マスコミほど厄介なものはない。 情報収集もこの辺で終わりか。じゃあ動きますか。
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