12人が本棚に入れています
本棚に追加
資料情報室には先客がいた。
「徳橋さん、なんかいい事件ないですか?」
そこにいたのは佐藤流花さん。オレの3つ上。ショートヘアーで少しボーイッシュな感じ。普通にかわいい。人なつっこい性格でフリポリのムードメーカーだ。
「いい事件があったらとっくに捜査してるよ」
「最近は大きな事件もないですしね」
後ろからの声。振り返ってみると新貝亜美がいた。
「1課の人たちも昔の事件でも調べるかって言ってましたよ」
新貝は、さっきも言ったがオレの1つ上なんだけどキャラてきにさん付けが出来ない。先輩というより妹の方がしっくりくる。
「だいたいこんな山のような、資料から見つける気がしないよ。この前のは奇跡だよ」
徳橋さんが言った。
そう、フリポリはつい一昨日、記念すべき最初の事件を解決した。その事件に取り組むきっかけになったのは、新貝が適当にとった最初の本の、適当に開いたページが、たまたま不思議な事件だったという、運を味方につけて発見した事件だったのだ(最も、その事件を2週間もかからずに解決する凄さに、フリポリのメンバーは気づいていなかった)。
最初のコメントを投稿しよう!