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一般家庭内の女子部屋は二、三度かは入ったことあった少年は、このような豪邸の個室の中が、良質のVIPルームにしか見えないので、汚したらヤバそうな環境だと身振いした。
「何を緊張なされて?ついでですので、ご夕食もいかがしますか?」
「個室内もそんな口調って一体?んなことより、ピップな部屋じゃん。室内灯のシャンデリアすげぇよ」
「だいぶお気に召しましたか?ここでご一杯、一息どうでしょう。アタシが父の書斎から持ち出したこの貿易関係で仕入れた輸入の高級ジュースでもお召し上がりくださるかしら?」
「おっ、気が利くねぇ。こりゃ、明日は明日のペナルティーがありそうだなあ」
「考えすぎでございますわ」
「お嬢様も結構やるじゃねえか?書斎部屋から持ち出して飲ませるってフツー出来ないっしょ」
「ご夕食の食前酒ならぬ食前ジュースと思ってお召し上がりください」
「食前ジュース……ね~。まあ、湯上がりの一杯だし、少しくらいなら良いか」
苓子からワイングラスらしき高級なコップに注がれて、一瞬生唾を飲み込んだ真流主。
ドドメ色に染まった、罰ゲーム的な怪しいドリンクだが、口の中に入った内容物は、果実のようなトロピカルジュースのようなさっぱり系で美味しくなくはなかった。
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